息子が熟睡している間に、出産した時の記憶をバーっと書き残しました。興味のない方はスルーしてください。
※ 長文です(^_^;)




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昔から、出産するなら絶対に無痛分娩と
決めていました。
自宅の近くに無痛分娩(と美味しい食事)で有名な産院があったので、妊娠がわかった時は迷わずそこで分娩予約。
アラフォーの身体に負担をかけず、精神的にも肉体的にも楽に出産して、体力を残して退院する、という予定でしたが・・・。
人生そんなに甘くないのでした。



【入院1日目】
午後から病院入り。計測と診察を終えて病室へ。その後、処置室で明日の無痛分娩のための処置をした。点滴を刺し、それから麻酔用のカテーテルを背中から挿入。まず皮膚に液状の麻酔を塗って、それから針を刺すのであまり痛くはなかった。その後、下から何やら棒みたいなのを何本も入れた。痛いと言ったら麻酔をしてから処置してくれた。その後夕食。初産の場合は産まれるまで2~3日かかることもあるけれど、早ければ明日の午後に赤ちゃんに会えるとのこと。すごく楽しみ。オットには明日の午後と明後日、仕事を休んで付き添ってもらうことになった。


【入院2日目(無痛分娩1日目)】
朝起きて、処置室でバルーンというものを挿入された。9時、無痛分娩の麻酔が始まり、その後いよいよ陣痛の促進剤が点滴から入る。麻酔で腰から下の感覚が徐々に無くなってきた。その後、少しだけ生理痛のような鈍痛があるがそれ以上は痛くならない。ベッド脇のモニターを見ると、陣痛の波が折れ線グラフのように分かりやすく記録されていく。このグラフが山になったときが陣痛のようだけど、さすが無痛分娩。ほぼ痛みは無い。このまま無痛を保ちながら出産できるらしいので、とっても快適だった。
朝から誘発をはじめてお昼までに子宮の入口が4センチ開いた。これが10センチになったら出産とのこと。 午後にオットが到着し、2人でひたすら産気づくのを待つ。
夕方4時。子宮口4センチのまま進まず、誘発をやめ無痛分娩1日目終了。

陣痛を誘発したら当たり前に出産できると思っていたけど、どうやら「本陣痛」という本格的な陣痛が来ないと出産には至らないことを知る。


【入院3日目(無痛分娩2日目)】
朝9時、促進剤の投与開始。朝からオットも同室で待機。
しかし夕方4時、子宮口6センチまでしか開かず無痛分娩2日目終了。まさか3日目に突入するとは思ってなかった。とりあえず明日はオットは出勤し、産まれそうならすぐ来てもらうことに。赤ちゃんがまだ出てくる気がないのは、私のお腹の中が心地いいのかな♪なんてお気楽に考えていた。

夜、担当の先生ともうひとりの先生が部屋に入ってくる。「赤ちゃんの心拍が、時々弱くなっています。前に説明したとおり、へその緒が首に巻いている影響かもしれません。本来、夜は心音モニターを外すのだけど今夜は付けたまま様子を見ましょう。」
あ、はい・・・と言われるがまま頷き、まぁ、念のためなんだろうなと軽い気持ちで眠りにつく。


【入院4日目(無痛分娩3日目)】
明け方、ピコンピコンという音でぼんやり目覚める。なんか鳴ってるな~と思っていると、バタバタと足音が近づいてきた。「トトロさん、ちょっと横向いてみて!」看護師さんの声だった。え???目を開けると、赤ちゃんの心音モニターが赤く点滅している。ピコンピコンの音は私のモニターだったのか。そういえば、赤ちゃんの心臓の音が昨日と違って、トクン・・・トクン・・・とかなり弱くなっていた。大丈夫かな、と思った瞬間、

心音が、聞こえなくなった。

え???ウソだよね・・・。全身の毛穴がブワーっと広がった感じがして一気に目が覚めた。看護師さんがまた叫んだ。「トトロさん、逆向いて!」何度か体勢を変えたとき、心音が少し戻った。でも少し動くとまた弱くなってしまう。すると今度は先生が2人してバタバタ走って来た。え、なんでみんな走ってくるの??そんなにまずい事になってるの??
質問する間もなく先生が言った。
「トトロさん、いま赤ちゃんがだいぶしんどそうなので、帝王切開します。」
(絶句)・・・よろしくお願いします・・・。


【入院4日目(無痛→緊急帝王切開)】
この時点で朝5時50分。看護師さんがオットに電話をしている。オットの朝は早いので、この時間なら出勤の身支度を整えてる頃だからちょうど良かったかも、と思っていると、「え?今から20分で来れるんですか?」と看護師さんが電話しながら驚いているのが聞こえた。手術室に移動し、処置。
手術の準備中、赤ちゃんの心音モニターがトクントクンとわずかに聞こえるけど、手術室の雑音にかき消されている。不安だったので「すみません、赤ちゃんの心臓の音、もうすこしボリューム上げてください!」とお願いする。大音量になった心臓の音だけを頼りに、とにかく早くお腹を切ってくれと祈る。

いよいよ手術が始まるようで、今から下半身だけ麻酔をかけるらしい。「それって痛いんですか?」とバカみたいな質問をしてる自分に、今はそんなこと聞いてる場合じゃないよね!と心の中でツッコむ。その後、背中に麻酔の針を刺されたけど、あまり覚えていない。早く、早く、こうしている間に赤ちゃん死んじゃうかもしれないから、とにかく早くして!と願った。先生が「トトロさんのカイザー(帝王切開)始まるってご主人に連絡して~」という声が聞こえる。わ~、カイザーだって!ドラマで聞いたことのある専門用語が聞こえてきて一瞬だけテンションが上がるものの、ばか、何考えてるんだ!とまた自己ツッコミ。そして先生が言う。「トトロさん、5分で赤ちゃん出てくるからね。」・・・5分!そんなに早いんだ。5分、5分。・・・・・・・5分てどのくらい??その後、時間の経過がよくわからなくなる。20分くらい経った気がするけど?まだ??あれ30分くら経ったんじゃない?もしかして失敗したんじゃ???お願いします赤ちゃん助けて下さいお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします・・・お願いします・・・・

実際どのくらい経ったのかよく分からない。念仏のようにお願いしますを唱えてたら、私の顔の横になんか赤いものが差し出された。「トトロさん、産まれましたよ!」
思っていたよりずっとずっと小さい、真っ赤な赤ちゃんが、看護師さんの手の中で泣いていた。不思議と泣き声は聞こえなかった。オットに似てるなぁ・・・とぼんやり思った直後、赤ちゃんが助かった事に気づいて、うわぁぁぁ〜ん!!うわぁぁぁ〜 ん!!と声で泣いた。そして、次の瞬間からの記憶が全くない。

気づいた時には手術室ではなく病室のベッドだった。オットが心配そうにこちらを見ていた。
「大変だったね、お疲れさま、ありがとうね」と何度も言ってくれたので、手術室での出来事は 夢ではなくちゃんと無事に出産できたんだと実感した。私は声を出さず頷いた。お腹は激痛、麻酔の影響で身体はガタガタ震えていてとても気分が悪い。酸素マスクをしているのになぜかとても息苦しく、話をするのも辛い。 「きょうはもうだれにもあえません、おかあさんにごめんなさいとつたえてください」なんとか声を出して オットに伝えた。目をつぶってみたものの、痛みと息苦しさでまったく眠れない。人生で一番長い一日を過ごした。

帝王切開の術後は、噂に聞いていたとおり辛かった。翌日にはお腹の激痛に耐えながら歩く練習させられたりでかなり大変だったけど、とにかく子どもが無事に産まれたことだけを励みに頑張った。
手術から3日後、看護師さんが病室に息子を連れてきてくれた。「おっぱい、あげてみますか?」
初めて抱っこした息子はとても小さくて温かかった。おっぱいをうまくあげることができなくて、息子はギャーと泣いた。

わたし・・・お母さんになったんだ。




いま私たちの目の前に元気な息子がいるのは、事前に危険を察知してくれた先生のおかげです。お医者さんて本当にすごいと思います。
スタッフの方もみんな親切で、この病院を選んで本当に良かった。

人生最初で最後の出産、予定どおりにはいきませんでしたが、今まで生きてきた中で一番といっていいほど心に残る出来事でした。



長くなりましたが、読んでくださってありがとうございましたm(_ _)m